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2022年5月31日に芳山堂(所在地:東京都中央区)の久保泰助氏よりご寄贈いただきました屏風絵の展示が始まりました。
この屏風絵は、上條記念館の緞帳の原画を描かれた日本画家 中野嘉之先生(多摩美術大学名誉教授)の作品です。
屛風絵は額装され、上條記念館地下1階エレベーターホールに展示されています。
中野嘉之 『蓮-淡い記憶』 (金地絹本に銀箔・彩色)
1993年の個展「金と銀の協奏展」にて発表された作品。
この「蓮-淡い記憶」では、水辺の一瞬の移り変わる様を確かに表現し、不思議な気配を帯びた空間を生み出した。
ダイナミックな蓮の佇む蓮池に、繊細な筆で描かれた鴛鴦と鵜が遊ぶ。
主役は蓮か、その池で遊ぶ鳥たちか。
作者が描きたかったものは具体的な空間ではなく、そこに漂う「気」であったのではないだろうか。
ライトを当てると、金と銀がぼうっと浮かび上がる。
淡い記憶が、浮かび上がる。
◆日本画家 中野嘉之 来歴
1946年 京都府京都市に生まれる
1966年 多摩美術大学日本画科3年時から加山又造、横山操の薫陶を受ける
1972年 新制作協会春季展(日本橋髙島屋) 春季展賞
1972年 第36回新制作協会展(東京都美術館) 新作家賞
1975年 春季創画展(日本橋髙島屋) 春季展賞
1978年 グループ野火展(村越画廊) [以後’87年最終展まで]
1994年 「揺れる幻映」個展(日本橋髙島屋ほか3会場) 京都美術文化賞
2005年 前年の個展「天空水」に対し、平成16年度芸術選奨文部科学大臣賞
2006年 第15回MOA岡田茂吉賞(MOA美術館) 第15回MOA岡田茂吉賞大賞
2016年 多摩美術大学退職記念展 個展(日本橋タカシマヤ)
2019年 原画制作の上條ホール緞帳『黎明』を昭和大学上條記念館にて披露
2023年 現在 多摩美術大学 名誉教授